全然売れてないことだけが伝わる広告って・・・かわいそうだGM
GMには恨みも憎しみもないのだけれど、まあ悲惨でしたわね、3月7日付日経朝刊に掲載されたGMのフルカラー広告。なんと4ページ60段でっせ。で、あんな小難しいことばかり小さい字で書き並べた広告なんか誰も読みはしない訳ですが、それでも子細に読んでみました。すると案の定、GMのクルマがぜーんぜん欲しくならないんですね(滝汗)。あーGMのクルマってひょっとすると月に1台も売れていないんじゃないかとか、そんな想像してしまうわけです。
商品の魅力をストレートに訴求するメッセージがですね、全然ないんですよマジで。4ページ60段に渡って、わけのわからない言い訳と意味のない賑やかし情報のオンパレードなわけです。これちょっとまずいですよね~。
まず第1ページに登場するのはGMアジア・パシフィック・ジャパン社長のリック・ブラウン氏であります。金ドブ広告の総責任者が堂々とその姿を見せた訳ですが、「より力強く生まれ変わるために、現実の目標を着実に達成していく」って、社内報や全社員ミーティングのスローガンじゃないんですから(汗)。それにしても字が小さいうえに詰まってますねー。で、クルマの写真はどれも小さいんです。あんまり見せたくないんでしょうかね(涙)。
で、社長、売れてないことを率直に認めた上で、これまで「高級車に特化したプレミアムブランド戦略」を展開してきたGMが、今すべきことは「市場のニーズに応じた柔軟な戦略をディーラーと協力して展開していくこと」なのだそうです。
その戦略とはなにかといえば、開発中の電気自動車などの写真を小さく見せてから、「キャデラックでどうでしょう」と気弱に訴えることでありました。「リッター8キロ以上走行できて、2・8リッターモデルで500万円を切っております」ということだそうで。とにかくディーラーに来てくださいと。未だにアメリカ車は70年代80年代のイメージで見られる傾向があるが、実際にはそんなことはないのだからと。そういう問題じゃないだろって。かわいそうでホント、涙出てきます。
で、対面ページにはそのキャデラックが登場しますが、信じがたいことにクルマの写真以外はその魅力やスペックについてについて全く訴求することなく、「富士山周辺をドライブしてきました。よかったです」というドライブ紀行になっております。はぁ~。
それでですね、ページをめくるとまたも見開き広告となる訳ですが、この内容もまた驚異的。上半分がトランペッターの日野皓正のインタビュー記事ですが、エコともクルマとも全く関係ない内容です。で、下半分がオバマ大統領まで登場させておもいっきり振りかぶって「アメリカ国民がCHANGEを選んだように、アメリカ車はいまエコを選らんだ」として、いつ発売されるともしれない電気自動車のコンセプトカー「キャデラック・コンバージ」を紹介してます。
エコ訴求しなきゃ人は振り向かない。だけどエコな商品を持っていない・・・。苦しいのは分かりますけどね。よーするにこの広告は、やがてキャデラック・コンバージなる燃費のいい新車種が登場しますから、それまでリッター8キロ(涙)のキャデラックを500万出して買って待っていてください、ということでありました。
はっきりいってエコ意識がある人はいまさらキャデラックなんか買わないわけです。それにエコ、エコといったってGMはエコ・コンシャスなクルマを持ってないわけですから(涙)。GMが今すべきなのは、ごく少数ながらエコ意識のない顧客に対して、思いっきり燃費の悪いクルマを魅力的に訴求することではないでしょうか。で、この際ですからハマーなんてどうでしょう。燃費のいいハイブリッド・ハマーなんて開発されるはずもないですから。
エコ意識がない層は少なくなってはいますが、確かに存在しております。少なくともエコ・コンシャスでありながら、キャデラックを買うという夢想空想上のマーケット・セグメントよりは何百倍も大きいでしょう。
喫煙は忌避されても、葉巻・パイプまでいけば大人の趣味として認められるということもあります。GM様には是非「燃費の悪いクルマにしかない良さ」を積極的に訴求し続ける孤高の自動車メーカーになっていただきたいものです。合掌。
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