わが心のSF映画その5 X線の眼を持つ男
ついに登場(笑)、これぞB級、最高に面白いSF映画です。邦題は「X線の眼を持つ男」、原題もそのものズバリの「"X" The Man with the X-RAY Eyes」、監督ロジャー・コーマン、主演はアカデミー賞受賞俳優レイ・ミランド、
1963年アメリカ映画であります。
ワタクシもそうですが、この映画、映画館で観た人は少ないでしょうなぁ。東京12チャンネルの木曜洋画劇場か、昼の時間帯の映画番組で観た人がほとんどでしょう。そんな感じの映画なんですが、でも面白いんです。ラスト・シーンも衝撃的なんです(笑)。DVDも中古ならアマゾン
でも買えるみたいですね。やっぱり面白いんですね(笑)。
なんていうかなあ、笑いながら「面白いよ」って屈託なくいえることが傑作B級映画の条件だとすれば、「X線の眼を持つ男」こそ傑作中の傑作、B級中のB級映画でしょう。
あのですね、立派な病院に立派な外科医(ですよね?)の先生がいらっしゃいまして、彼は何故か目薬の研究をしております。目薬といっても近視や遠視が直るとか、そんな半端なものじゃありません。差せば物が透けて見えるようになるという画期的な目薬です(笑)。
で、当然のことながら、目薬の被験者は先生ご自分でして、自らその目薬を試すと、人々の服が透けて見えるようになっちゃう。彼の回りには美人の看護婦やらがいるわけですけど、服なんか先生にとってはみーんなスケスケです。「きょうの君は実に魅力的だね」「あら先生ありがとうございます」てなシーンもあって、さらに先生、パーティに出席すれば、彼には老若男女が裸で裸足で踊り狂っているように見えるのでありました。
ところが目薬を差し続けると透視の度合いが進み、こんどは皮膚を突き抜けて、内臓の様子までもが分かるようになってきます。そんなとき重篤な患者の手術をすることなりますが、内臓の様子までもが手に取るように分かる先生は、回りの医者が誤診していることに1人気付いて、主治医から強引にメスを奪って手術を見事成功させますが、正規手順を無視したやり口が問題となって病院内でつるし上げ状態になり、同僚の医者と激しい口論、つかみ合いとなって相手を誤って窓から突き落とし殺してしまいます。
かくして先生、殺人犯として追われる身となって放浪の旅に出ることに。その彼にできることといえば透視することだけです。やがて怪しい職業に身を落としていきますが、あれこれあって、やがて衝撃のラスト・シーンを迎えるわけです。
一説によると、あのラスト・シーンには、あの後「それでもまだ私には見える!」と絶叫するバージョンもあったのだとか。これも怖いですねえ(笑)。ゾクッとくるものがあります。
DVDを買ってまで観るべきかといわれると返答に窮しますが、面白くて怖くて、しかも笑えるという点で、「X線の眼を持つ男」は、「マタンゴ」と同じようなジャンルのように見えて、しかし全く異なる地位を保っている、永遠のB級SF映画の1つだといえましょう。衛星などで放送されることがあれば、観賞されることを全力でお勧めしちゃいます。DVDをお買いあげ頂いても、後悔されることはないと思いますよ(笑)。
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