ハートの強さが試される? 喫茶店風ナポリタン
ときおり無性に食べたくなるB級料理といえば、その最右翼に位置するのが喫茶店風スパゲティ・ナポリタンでありましょう。ケチャップべちょべちょで「口の回りを真っ赤にして、思いっきり召し上がれ」みたいな奴ね。ワタクシも無性に食べたくなることがたまにあるわけですが、作ってみても、いま1つ上手くできません。その理由ははっきりしております。方針というか、最後の覚悟がどうしてもつかないわけです。
ひとつには、パスタというかスパゲティ銘柄の問題があります。喫茶店で使うスパゲティはほぼ間違いなく国内ブランドで、ま、マとかあれですね。私も使ったことがありますが、指定された茹で時間近くになっても麺の中心に通った髪の毛のような硬い芯がなかなか消えず、芯が消えたかと思うと腰も何もなくなって、どんなに注意してもアルデンテには決して茹で上がることがない性悪女(もちろん性悪男でもいいんですよ汗)のようなパスタであります。
で、それを腰がなくなるまで茹でなければならず(恐)、茹で上がったパスタはザルにあけてから、そばうどんのように流水でぬめりを取る(怖)、などということをやらなければならないとされていることもあり、さらに麺(笑)はマーガリンで炒める方が旨い、などという価値観もあって、いったいどこまで覚悟すれば喫茶店風になるのだ!と思わず絶叫したくなるような恐怖の料理であるわけです。
しかしこの度の週末こそは、決死の覚悟で作ると決めました、喫茶店風ナポリタン。使うのはま、マのやつですね。で金曜の夜、仕事帰りにスーパーに立ち寄りますと、なんとま、マのパスタがない! で、止むを得ずデ・チェコを買わざるを得ない羽目に陥りました(笑)。
よかったー(安堵)。これで本格的な喫茶店風ナポリタンを再現する道は立たれたわけです。茹で上がったパスタを水にさらす必要はありません。そうとなれば、本格的喫茶店風はさておいて、できるだけ工夫を凝らしたインチキ・ナポリタンを目指す他なくなりました。そこで俄然やる気が出てきたわけであります。
■こう作りました
どうやって作るか、結構一所懸命考えました。ケチャップだけだと絶対甘すぎておいしくありませんから、トマト味をどう付けるかというのがまず1点。もう1点は、味になんともいえない奥行きを出すためにはどうするかという問題です。前者については、トマト・ペーストをケチャップと合わせて使うことに、後者についてはニンニクと白ワインということだろうな、という結論に達しました。以上が金曜夜、布団の中であれこれ考えた結論であります(笑)。
まあ使う材料はざっとこれだけ。肉っけにはソーセージを使うというレシピもありますが、ワタクシはベーコンとハムの合わせ技を試すことにします。生のトマトも使います。当然他にもケチャップやらトマト・ペーストやらオリーブオイルやらも使用します。
最初にするのはパスタを茹でる大鍋を火にかけることですね。当たり前か(汗)。
次、傾けたフライパンにオリーブオイルを注ぎ、潰したニンニクを投入して極とろ火にかけます。いつもの手法。
ピーマン2個、タマネギ1/3個、トマト1/2個、パセリをそれぞれ切ります。
ベーコン2枚、ハム2枚。ベーコンはカリカリに、ハムはしっとりと炒めて食感にバリエーションを持たせる(汗)という戦略であります。
問題のナポリタン・ソースにかかります。というほどのものでもないですけどね(笑)。小鍋に白ワイン50ccほどを注いで火にかけます。ソテーするときぶっかけてフランベするという説もありますが、炒めたタマネギやハムをフランベすることに意味があるとは思えないため、煮詰めてコクを出す、という方針を採用したわけであります。
茶碗(汗)にコンソメ顆粒を入れて・・・
お湯を注ぐ。コンソメは一度お湯に溶いたほうが美味しくなるという固い信念を守っております。飲めば結構塩辛いという濃度にしました。
で、煮たって煮詰まってきた白ワインの小鍋に湯溶きコンソメ(汗)を投入。
煮詰まってきたら、トマト・ペースト2袋を投入。
一気にトマト・ソースっぽくなりますが・・・
ちょっと固すぎるようなのでお湯で伸ばします(汗)。
さらに、ケチャップを投入。ここではワタクシとしては珍しく、味見しながら慎重に入れました。大体大さじ2杯くらいといった見当ですね。
で、ウスターソース。ソースは味がきついですから、小さじ1杯も入れたら多すぎます。ほんの数滴、小さじ1/4ほどです。
で、最後に牛乳を大さじ1杯ほど。
ナポリタン・ソース完成。ここまで手をかけたのは初めてです。さてどうなりますか・・・
パスタ茹で開始。お湯はセオリーどおり塩気を入れてあります。パスタは1人前100g見当といったところです。
で、フライパン方面も調理開始。ニンニクを取り出したらベーコンから炒め始めます。
ベーコンが炒まってきたら、次はタマネギですが・・・
ここでのコツは、フライパンを振らないこと。タマネギにやや焦げ目が付くまで放っておきます。落合シェフがテレビでそう教えてました。
タマネギが焦げたら、次はピーマンとハム。
炒めるべきものにはすべて火がはいりました。
パスタの茹で時間をにらみながら最終局面へ。まずマッシュルーム。
バター1塊り。
フレッシュトマト・・・
と、立て続けに入れると、丁度パスタが茹で上がる。で、パスタ投入。
ここでフライパンを振ってなじませる。
いよいよナポリタン・ソースをドバっと投入。強烈です。
フライパンを振る、振る!
こんなもんでしょう。結構本格的な喫茶店風になりましたね(汗)。もう少しイタリア料理っぽい仕上がりになるかと思ったんですが(滝汗)。
塩・コショウで味を調えたら、盛りつけます。
思惑に反して、立派な喫茶店風ナポリタンになっちゃいました(汗)。
ではいただきます。
■ごちそうさまでした
あのー、マジでスゲー旨いです。立派に喫茶店風になってます。こんなはずじゃあなかったんですが(滝汗)。ケチャップの甘みを控えたことやら白ワインを煮詰めたことやらがかなり効いてますね、味が丸くなりますから、牛乳も絶対入れたほうがいいです。これ、初めてのレシピだったんですが、ヨメも「うまいうまい」と貪り食ってました。
これで生涯の難問が1つ解決したということでしょうか。旨い喫茶店風ナポリタンを作ろうと思えば、やみくもに喫茶店風を追べからず。この度得られた教訓でありました(笑)。
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